お客様は、重量物のハンドリング装置を製造している老舗企業です。
50年以上の社歴を持つ同社では、社内で制御基板を設計、製作していました。
しかし、20年以上前に設計した基板は、頻繁な故障により、その都度技術者が現場に出向き、対応しておりました。
ご相談を受けて、技術部長とともに、基板の改善に取り組みました。
この基板はマイコンを使わないディスクリート回路基板で、長年の試行錯誤の結果、かなり複雑な回路でした。当社では技術部長からの教えで長年のノウハウが詰まった複雑な回路を丁寧に解析し、その特性を把握しました。
この基板はひとたび設置されると、20年以上稼働し続けます。現場でオペレーターの手となり操作されるものです。リレーを多用した基板でしたが、機械要素のないフォトMOSリレーやフォトカプラを採用することで、長寿命化を実現しました。

基板の図面の一部
基板の寸法やコネクタ類は、既存の基板とほぼ同じ設計にすることで、スムーズな交換作業を可能にしました。
特に、アナログ回路の特性を細やかに調整することで、長年使い慣れた操作感を実現し、ベテランの社員の方々からも高い評価を得ました。このあたりは、数値や文章にしにくいところでしたが、合格をいただきして、無事にリリースすることができました。
今までは内製していて品質が安定しなかったこと。また、故障が多かったことが悩みでした。故障が激減し、現場での信頼度向上に大きく貢献できたと、お客様から感謝のお言葉をいただきました。