お客様より、ある原材料の残量を管理するIoTシステムを作りたいというお引き合いをいただきました。

お客様は、原材料の残量をリアルタイムで把握し、最適なタイミングで補充を行うことで、在庫管理の効率化を目指されていました。具体的には、センサーで原材料の残量を定期的に計測し、そのデータをクラウド上に集約。原料の消費状況を分析することで、自動発注システムの構築も視野に入れていました。

今回は工場内にいくつかある原材料の容器からデータを収集して1台ラズパイを通してクラウドに上げたいとのこと、RaspberryPIのプログラムやクラウドのシステムは実績のあるシステム会社に依頼するとのことでした。当社はデータを収集してRaspberryPIのプログラムを収集するところまでのシステム構築を担当します。

有線の通信は現実的ではないので無線通信を選択。

まずは、電源が取れないとのことなので、電池駆動で行うということ、数十台同時に稼働する可能性があるとのこと。

今回のケースの場合、一定間隔でデータを収集します。このなかで8割程度収集できていればシステム的には問題ないと判断して、データの送信の確実性よりも低消費電力を優先しました。今回のシステムでは、低消費電力、小型化、そして柔軟なプログラミングが求められました。TWELITEは、32bitRISCプロセッサを搭載しており、10BITADCを搭載、オリジナルのプログラムを開発できるため、これらの要求を満たす最適なソリューションであると判断しました。TWELITEを中心にセンサー受信回路等を設計し、ワンチップの残量検知無線基板を実現しました。海外展開も考えていたのでBlueを選定しています。

・TWELITE (モノワイヤレス株式会社 HPより) IOT基板に組み込み、無線モジュール内蔵コントローラーとして使用しています。

・MONOSTICK (モノワイヤレス株式会社 HPより) RaspberryPIに接続して親機として機能します。


通常では 1時間に1回30文字程度の送信で稼働します。

1時間に一度、残量測定をして送信。低消費電力を優先するために、親機とのハンドシェークやリトライ処理は行いません。
電池は当初単三2個を使って開発しておりましたが、残量検知の瞬間に電流が流れるが故の電源電圧のドロップが大きいことがわかり、単三3個を電源とすることになりました。社内で各モードの電流を計測した結果の計算の結果最低3年間は電池交換無しで稼働できそうです。

テスト導入した工場ではほとんどミスなくデータを上げていることを確認しました。

別の現場では、通信テストも行う機会がありました。 いろいろな装置が稼働する工場ではありましたが、60m程度であれば、高い確率で通信成功していることを確認しました。

当初は 基板をケースに組み込んでおりました。量産時のコストの要求があり、様々な検討の結果、残量のセンサーの下のスペースに格納することにより、ケースをなくして、基板のみの構成としました。
お客様はクラウド側の在庫管理の精度を上げて、本格導入に備えています。